理事長からのメッセージ(2025年)
ACEFのバングラデシュスタディツアーも56回を数えるところまできました。
最初は世界最貧国と言われ、多くの人々が学校で学ぶ機会を持つことができない中、バングラデシュの人々が豊かになっていくために、教育の機会を得ることのできない貧しい地域のこどもたちに学ぶ機会を提供したいという思いを、バングラデシュの人々と協力して始められたのがACEFの活動でした。
「バングラデシュの子どもたちに寺子屋を」というスローガンを掲げて多くの方々からの賛同を得ると同時に、ACEFはこの活動を通して、多くの日本の若者たちに、「アジアの隣人と共に生きること」、そして私たち自身の暮らす社会においても同じように取り残された人々が存在することに気付き、そのためにそれぞれができることを考えるという視点を養ってほしいという願いも大切にしてきました。
現在、30数年を経て、バングラデシュは最貧国からアジアで目覚ましい発展を遂げつつある国の仲間入りを果たそうとしています。しかし、同時にそうした発展の陰で、取り残される人々の存在、豊かさの犠牲になったいまだに貧困や差別にさらされた人々が存在します。いやその痛みは以前にもまして増大しているともいえる状況です。
スタディツアーの本当の意義は、そうした変わりゆく社会で起こっていることの本質に気付く体験を、現場を訪問し、そこに生きる人々と出会うことによって経験することにあると思います。
同時に、様々な歴史や課題を抱えた中で生きる人々に、それでも失わずに彼らの中に生き続ける「共に生きる」という生き方に触れて、私たち自身が変えられていく体験を持つことだと思うのです。是非、みなさんもACEFのスタディツアーに参加して、人生において忘れてはならない大切な価値観を発見する旅を経験してください。
【スタディツアー参加者の声1】「礼拝の中で何度も唱えた本田哲郎神父バージョンの「主の祈り」に「私たちが、哀れみや施しを受けたり与えたりすることでよしとすることなく…正義の実現を大切にし…神と人とを大切にする平和と喜びに満ちた社会が作ることができますように。」とあります。私たちの移ろいやすい感情や、目の前の成果を求める行動ではなく、人と人との関係性の修復のことだと思います。貧しい人々と見下してしまっていた、障がいを持っている非力でかわいそうな人々と決めつけていた私たちの偏見を取り去り、真に人と人との対等な関係を築くことが「共に生きる」ことに必要で、その揺らぐことのない土台にあるのが愛であることを今回の旅から学ばさせていただきました。」
【スタディツアー参加者の声2】「自分の価値や立場を脇に置いて、相手と向き合うこと。相手の価値観を理解し、その文脈の中で相手を理解するよう努めること、可能な限り相手のあり方に染まってみること。これらの難しさと大切さ、そして面白さを学んだスタディツアーだった。」
【スタディツアー参加者の声3】「今年7月からお仲間に加えていただいたACEFには、「バングラファン」がたくさんいて、そのきっかけの多くがACEFのスタディツアーだと伺った。あまたあるスタディツアーの中、これほど多くの人をバングラデシュに惹きつけるスタディツアーとはどんなツアーなのか?どんな特色があるのか?クリスチャンではない自分にも響くのか?などなど、興味が湧いてきた。そんな思いを抱きながら参加した今回のツアーは、驚いたり、感動したりしている間にあっという間に終了。今後さらにスタディツアーを開催していく中で、いろいろな局面に遭い自分の気持ちや考えも変化していくのかもしれないが、まずは次回のスタディツアーに備えたいと思う。」
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